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研究紹介

高度進行・切除不能大腸癌肝転移における、切除率向上と治療ストラテジーの確立(今井克憲)

  • 2018.05.24 |

大腸癌肝転移において世界的に有名なhigh volume centerであるフランスのPaul Brousse Hospitalへ留学し、Prof. René Adamの指導のもと、特に高度進行・切除不能大腸癌肝転移に対する切除率向上、治療ステラテジーの確立をテーマに臨床研究を行った。一期的に切除不能な両葉多発肝転移に対する二段階肝切除の最大の問題点である、二期的肝切除を完遂できない、いわゆるDrop-out症例を術前に予測するモデルを作成した(Ann Surg 2015)。Two-stage hepatectomyの予後因子として、術後再発に対する積極的な外科的切除と2nd-stage後の合併症を減らすことが重要であることを報告した(Ann Surg under revision)。

 

 

図1. ALPPS vs Two-stage hepatectomy

 

また、世界でも新しいTwo-stage hepatectomyの亜型であるALPPS手術の治療成績を従来のTwo-stage hepatectomyと比較した世界初の報告を論文発表した(図1)(Br J Surg 2016)。

 

この他、切除不能肝転移に対してconversion chemotherapyを行った後に肝切除を行った症例における予後を予測するNomogramを確立して論文とした(Br J Surg 2016)。肝転移に対する肝切除術後に問題となる早期再発については、早期再発定義における最適な期間を提唱し、その予測因子および予後因子を同定、報告した(Oncologist 2016)。さらに、肝外転移を有する大腸癌肝転移に対する治療成績と治癒の条件(J Surg Oncol 2017)、大腸癌肝転移に対する肝切除とラジオ波凝固療法の有用性(Br J Surg 2017)などを論文として報告した。このような研究成果は、高度進行・切除不能大腸癌肝転移患者の治療成績の向上、個別化治療への応用に有用であり、より進歩した治療ストラテジーの確立に貢献できるものと思われる。

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