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医療関係者の皆様へ

教室紹介

教室の目標

外科医は ”Surgical artist” であり、”Surgical scientist” でなければならない。

『臨床』、『研究』、『教育』の各分野における”経験”を重視した、
疾患別グループによる積極的な研究活動を行います。

臨床、研究、教育の経験

  • 臨床
    高度な手術手技
    先進医療
    手技の工夫
  • 研究
    発癌のメカニズム
    癌の発育・進展
    効果的治療の確立
  • 教育
    人間性の涵養
    知識の運用(問題解決型)
    手技のトレーニング

教室の取り組み

消化器外科医を目指す若人のための鏡視下手術トレーニングを行っています。(学生対象)

今や日本での鏡視下手術の症例は伸び続けており、今から消化器外科医を目指す皆さんには必須手技になることが予想されます。 そこで、当科では消化器外科医を目指す若人にいち早く、手術の難しさ、楽しさを実感していただくために、鏡視下手術のトレーニングを行っています。腹腔鏡下手術トレーニングシミュレータを用いた鏡視下手術の基本鉗子操作の習得や腹腔鏡下胆嚢摘出術の疑似体験、さらにはドライボックスを用いた結紮縫合手技の習得を通じて、外科医としての達成感、充実感をいち早く体験していただいています。2日間の集中トレーニングを行い、最終日にはトレーニング修了書を授与しています。

  • 取り組み様子1
  • 取り組み様子2
  • 取り組み様子3

後期研修医を対象とした手術トレーニングも行います。

  • 取り組み様子4
  • 取り組み様子5
国内・海外留学
教室員には海外・国内留学を積極的に勧め、国際社会の中での日本の位置づけを意識させながら、研究・教育に取り組んでいます。今年度も多くの医局員が海外留学する予定です。
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留学生レポート

ご挨拶

2021年度が始まりました。昨年度から続く新型コロナウイルス感染症の蔓延に歯止めがかからず、今や第4波に突入する事態となり、この先どのように推移するのか、見通しがつかない不安な状況が続いています。人間社会がウイルスの蔓延に翻弄される中、ワクチンを開発してそれに対応しようとすると、ウイルスもしたたかな生存戦略によって変異株が増え、更に感染力が強まるといった状況になってきています。まさに人類とウイルスの知恵比べといった様相です。

しかし、長い人類の歴史を紐解くと、人類がウイルスと共存してきた事実が近年明らかになっています。ウイルスが生物のDNAに自らの遺伝情報を組み込んでいる「内在性ウイルス」に関しては、以前より知られています。内在性ウイルスはヒトゲノムの約8%程度を占めており、その一部が生命現象に深くかかわっていると考えられています。人類の祖先は,もともと子孫を卵で産んで育てる状況であったのが、より確実に環境の影響を受けずに子孫を残すために哺乳類として母体の中で胎児を育て、出産するように進化してきました。母親が体内で胎盤機能を利用し、胎児に酸素や栄養を供給して育てる機能を獲得してきましたが、この胎盤形成にあっては、レトロウイルス由来の「PEG10」遺伝子が哺乳類の祖先に組み込まれることによって成立した進化の結果と考えられています。

このように、人類の進化の過程にウイルスの感染が関与しており、胎盤形成以外にも、脳や消化管などの臓器形成や体の色・形などに深く関わっていると考えられています。そのように考えると、今回の新型コロナウイルス感染症が、人類の進化に何か有益なものをもたらすのか、将来歴史を振り返った時に明らかになるであろうと思います。少なくともワクチン開発や治療薬開発など医療の進歩をもたらし、また、遠隔授業や、WEBによる学会、ZOOMを用いた会議、在宅勤務などニューノーマルな生活様式の定着にも少なからず影響を及ぼしていると考えられます。コロナ禍になってたった一年の間に世の中がこれほどまでに変化するとは予想だにしませんでしたが、ウイルスによる新興感染症は今後も社会の変化に大きな影響を及ぼしていくのでしょう。

消化器外科のこの一年を振り返ると、全国的には検診の減少、受診控えによる患者の減少が報告されていますが、幸い患者数や手術件数には大きな変化はなく、例年通りの診療ができました。学会が殆どオンライン開催になった結果として、出張が減り、時間的には従来よりもやや余裕があったと感じています。診療内容としては、内視鏡外科手術やロボット手術件数が増加し、より低侵襲な手術の傾向が顕著になっています。消化管の手術に加え、肝胆膵領域での腹腔鏡手術件数の伸びが著しく、膵臓がんに対する腹腔鏡下膵頭十二指腸手術や腹腔鏡下膵尾側切除、また消化器内科との合同による十二指腸腫瘍に対するD-LECSなどに特に力を入れています。地域における大学病院の使命を常に意識し、医療安全を担保しながらも最新で最良の治療を提供できるよう、教室員がONE TEAMとなって知識や技術の修得を目指し、日夜努力を惜しまず切磋琢磨しております。

一方、2024年4月より始まる医師の働き方改革に向け、できるだけ診療の効率化を図り、診療体制を主治医性からチーム制に変更し、誰もが対応できるようにTEAMSを利用して、手術結果・急患・急変・重症患者・当直報告など、情報を共有し、時間外、土日祝祭日には当番以外はできるだけ病院に出てこないで済む体制を確立しつつあります。ワークライフバランスを取りながらも安全・安心の医療が提供できるように、これからも診療の効率化を図っていきたいと考えています。熊本県では「くまもとメディカルネットワーク」で病病・病診連携が効率的にできる体制整備がなされており、患者の画像や検査dataを医療機関間で共有できる状況になっています。今後、「くまもとメディカルネットワーク」をさらに有効活用し効率的な診療が展開できるようにしたいと考えています。

さて、来年2022年は、熊本大学外科学講座が開講し100年目の節目の年を迎えます。その記念の年に、第122回日本外科学会定期学術集会を、日本外科学会会頭としてこの熊本の地で開催できることは大変光栄なことと存じています。明るい話題が乏しい昨今、「外科学の未来を拓く」というテーマのもと、未来の外科医療に思いを馳せ、熱い議論が展開できるような学術集会を目指し、教室員ともども鋭意準備を進めていきたいと考えております。

皆様には、今後ともご理解とご支援を賜りますよう、何卒よろしくお願いします。

2021年4月

教授写真
熊本大学大学院生命科学研究部
消化器外科
教授馬場 秀夫

教室の歴史・沿革

熊本大学消化器外科学教室は、熊本大学の大学院大学への改組に伴って平成15年の4月1日に誕生しました。それまでは旧1外科、旧2外科、それぞれに伝統が育まれてきましたが、統合により外科の中では最も大きな教室になりました。

教室の歴史・沿革

教室の歴史・沿革

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